空き家・空室アパートを福祉の住まいに変える方法|グループホームとアパート型の違いと注意点
空き家や空室が続くアパートを、どう活かすか。取り壊すか、家賃を下げ続けるか——その間にある選択肢のひとつが「福祉の住まい」として使う方法です。
結論からお伝えします。空き家・空室アパートを福祉に活かす代表的な方法は、①障がい者グループホーム(共同生活援助)にする、②住まい探しに困る方へアパートとして貸し、見守りや相談の仕組みをつける、の2つです。どちらを選ぶかは、物件の条件と運営する体制で決まります。この記事では、福島県いわき市で13の福祉事業を直営し、グループホームとアパート型の住まいを自ら運営している立場から、始め方と注意点を正直にお話しします。
なぜ「福祉の住まい」なのか
高齢の方、障がいのある方、収入の少ない方などは、法律で「住宅確保要配慮者」と呼ばれ、住まい探しに支援が必要な人とされています。家賃の支払いや、入居後の見守りを心配した貸し手に断られ、部屋探しが止まってしまうことが少なくありません。
一方で、空き家や空室は増え続けています。「部屋を探している人」と「空いている部屋」がそれぞれあるのに、その間をつなぐ仕組みが足りていない——ここに福祉事業者が入る余地があります。福祉の事業者が入居の相談や見守りを担うことで、貸す側の不安を減らしながら、部屋を必要としている人に届けられます。
方法1:障がい者グループホーム(共同生活援助)にする
障がいのある方が、職員の支援を受けながら共同生活を送る住まいです。既存のアパートや一戸建てを活かして運営されている例も多くあります。
- 指定が必要:障害福祉サービスの事業所として、都道府県などの指定を受けます。
- 人員の配置基準がある:サービス管理責任者や世話人など、決められた職員を置きます。
- 建物の条件がある:居室の広さ(原則として1室7.43㎡以上)、消防設備、建物の用途の扱いなどを満たす必要があります。
基準を満たせば、障害福祉サービスとしての報酬を受けて運営できます。そのぶん、物件の確認と開業準備には時間がかかります。
方法2:アパートとして貸し、見守りと相談の仕組みをつける
住まい探しに困る高齢の方や障がいのある方に、アパートでのひとり暮らしを届ける方法です。福祉サービスの事業所ではないため、指定申請や人員配置の基準はありません。
- 入居の相談を受ける:ケアマネジャー、相談支援専門員、医療機関、不動産会社などからの紹介を受けます。
- 見守りと連絡の仕組みをつくる:入居後の暮らしを支える体制を用意します。
- 必要なサービスにつなぐ:訪問介護や訪問看護など、ご本人に必要なサービスは介護保険・障害福祉の制度で組み合わせます。
既に介護・障がいの事業を運営している事業者であれば、利用者さまやご家族から届く「住まいの相談」を、自社で受け止められるようになります。条件がそろえば、あとから障がい者グループホームへ転換する道もあります。
2つの方法の比較
| 障がい者グループホーム | アパート+見守り | |
|---|---|---|
| 暮らし方 | 共同生活 | ひとり暮らし |
| 指定申請 | 必要 | 不要 |
| 人員配置の基準 | あり | なし |
| 建物の条件 | 居室の広さ・消防設備・用途など | 一般の賃貸住宅として貸せること |
| 開業までの期間 | 長め | 比較的短い |
| 向いている方 | 福祉事業として本格的に運営したい方 | まず住まいの相談を受ける形から始めたい方 |
始める前に確かめたい4つのこと
1. 物件の条件
間取り、居室の広さ、消防設備、建物の用途、検査済証の有無などを確認します。アパートがそのまま使えるとは限りません。私たち自身も、グループホームの開設では検査済証や消防、建物の用途の扱いで何度も確認を重ねました。
2. 地域の需要と紹介元
住まいを探している人がどこにいて、誰から紹介が届くのか。相談支援専門員、ケアマネジャー、医療機関、不動産会社とのつながりがないと、入居は進みません。入居がすぐに決まるとは限りません。
3. 運営する体制
入居の相談から契約、見守り、連絡、家賃の管理まで、日々の運営を誰が担うのかを決めておきます。グループホームであれば、職員の採用と研修も必要です。
4. 資金
物件の取得や借上げ、改修の費用に加えて、運転資金が必要です。障害福祉サービスの報酬は、サービスを提供してから入金まで時間がかかります。資金の計画は、福祉事業の開業資金の記事もあわせてご覧ください。
失敗しやすいパターン
- 物件ありきで始める:建物の条件を確かめずに改修を進め、後から使えないことがわかる。
- 入居がすぐ埋まると考える:紹介元とのつながりがないまま開業し、空室が続く。
- 運営を丸投げする:現場の仕組みを自社で持たず、トラブルに対応できない。
INCLUSIVE CONSULTINGの支援
私たちは、福島県いわき市で13の福祉事業を直営しています。障がい者グループホームを運営し、アパート型の住まい「i-HOME」は現在4棟目です。グループ会社は居住支援法人(福島県指定 第17号)として、住まい探しの相談も受けています。その現場で使っている進め方を、加盟店の立ち上げと運営に活かしています。
| 空きアパートをグループホームに | i-HOME(アパート型の住まい) | |
|---|---|---|
| 向いている方 | 空き物件をお持ちのオーナー・不動産会社・建設会社 | 介護・障がい福祉の事業所を運営する経営者 |
| 内容 | グループホームを起点に、放課後等デイサービス・就労継続支援B型・訪問看護などの事業も重ねられる | 指定申請・人員配置の基準なし。いまの事業に「住まい」を加える |
| 費用 | ロイヤリティ月額固定17万円(税別・売上歩合なし) | 加盟金:先着5社100万円、6社目から200万円/ロイヤリティ月額固定10万円(すべて税別) |
| くわしく | 空きアパートを、福祉の住まいに | i-HOME 加盟店募集(募集エリア:いわき市外) |
※加盟店として運営いただく仕組みです。売上・入居・収益を保証するものではありません。物件の取得・借上げ・改修費用と運転資金は別途必要です。グループホームへの転換や開設には、指定などの条件があります。地域や物件の状況によっては、参入をおすすめしない場合があります。
よくあるご質問
福祉の経験がなくても始められますか?
本部が開業前から伴走します。グループホームの場合は、指定申請・消防・採用・研修まで一緒に進めます。ただし、丸投げで成功する事業ではありません。オーナーさまご自身が運営に関わることが前提です。
物件をまだ持っていなくても相談できますか?
ご相談いただけます。地域と、いまの事業の状況をうかがったうえで、進め方をご案内します。
相談だけでも大丈夫ですか?
大丈夫です。無理な勧誘はいたしません。
空き家・空室アパートの活用を検討中の方へ
物件の住所と間取り、いまの事業のことをお聞かせください。グループホームにするか、アパート型の住まいから始めるか、進め方を一緒に考えます。
お電話でのご相談:0246-46-3322(直営事業所を運営する i-step株式会社が受け付けます)
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